Unityに必要なPCのスペック【初心者向け】

Unityを使うにあたってPCを買いたいんだけど、どれだけのPCのスペックが必要かわからない!そんな疑問に答えていきたいと思います。なお、個人的見解が多々含まれる事を注意してください。また、Youtubeでも解説を行っています。流し見でも見れると思うので何か別作業をしながら内容を知りたい方は↑の動画もご活用ください。

<Unityを動かす最低条件>

まず、Unityを動かすのに必要な最低条件は以下の通りです。

OS:Windows 7 SP1 以降、8、10(64 ビットバージョンのみ)MacOS 10.12 以降
CPU: SSE2 命令セットをサポート
GPU:DX10(シェーダーモデル 4.0)の性能を持つグラフィックスカード。

SSE2・・・映像や音楽などのマルチメディア系のデータの処理を効率よく行うための技術。
DX10・・・DirectX10の略。3D図形を描画するための技術。

CPUについては、SSE2が実装されたPentium 4が2000年に登場しているので古いPCや特殊なPCを使っていなければ問題ないかなと思います。

GPUについては、DX10はWindows Vista専用に2006年にリリースされたものです。これより性能が高ければよいのでこれも古いPCや特殊なPCを使っていなければ大丈夫かと思います。

要は、10年以上前の古いPCや格安超低スペックPCでさえなければ大丈夫ですよという事です。

<OSについて>

Linuxが対応するかも?という話がありますが、今のところWindowsMacのどちらかになります。

どっちにするかはゲームをどんなプラットフォームで公開したいかによります。

iOS用のゲームを作りたいのであればMacでなければいけません。
Windows限定プラットフォームで公開するならWindowsでなければなりません。
それ以外ならどっちでもいいかと思います。お好きな方をお使いください。

各種公開方法で必要なOSについては↓の記事にまとめてあるので見てみてください。

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<CPUについて>

次はPCの重要部分、CPUについて考えていきましょう。

CPUは作りたいプラットフォームよる

CPUの必要なスペックについては何でプレイするゲームを作りたいのかによります。

例えば、PS4とかSwitchとかiOSとかAndroidとかです。何の機種で動くゲームを作りたいかです。

が、個人開発や初心者の人はあまり気にしなくていいように思います。

CPUのスペックが重要になってくるプラットフォームのゲームの開発は個人や初心者にはハードルが非常に高く、全くオススメできません。

ハイエンドPC向けやPS4向けに作るならともかく、スマホやブラウザ向けに開発するならあまり関係ありません。

このように何のプラットフォームで出すのかで必要スペックが変わってきます。

PCではサクサク動いていたけど、スマホに移したらカクカクになったとかよくある話です。PCがハイスペックでも動かす機種で動かなければ意味ないのです。

CPUの性能で開発に差が出てくるようなものは、性能が低いプラットフォームで動かないので、CPUに求める事はあまりないかもです。

ただし、スマホよりスペックが低くかったり、格安タブレットPCなどになってくると処理の重さを感じてしまうので、極端にスペックが低いものは除外して考えてください。

CPUの性能が足りないとどうなるのか

CPUのスペックが足りない場合、処理が重い、カクカクするなどの現象が起きます。

PCでカクカクしだしたら、だいたいゲームを動かすプラットフォームでもカクカクするので、PCのスペックを上げるより処理を軽くする作業をすることをオススメします。

初心者が参入しやすいプラットフォームは大体PCよりスペックが低いので、CPUの性能を上げるより、いかに軽くするかに注力した方が自身のレベルも上がっていいかなと思います。

CPUの性能が必要な時は?

CPUの性能が求められるものでゲーム内の処理とゲーム外の処理があります。

・ゲーム内でCPUをよく使う処理

ゲーム内でCPUをよく使う処理は↓の通りです。

・物理演算
・ハイポリゴンなグラフィック

これらは↑で何度も言っているようにPCでカクカクするなら他の低スペックなプラットフォームではほとんど動かないので初心者の間は気にしなくてもいいかなと思います。

・ゲーム外でCPUをよく使う処理

ゲーム外でCPUをよく使う処理は↓の通りです。

・ビルド
・ベイク
・キャプチャ
・複数人開発で他人の変更を取り込む時
・Unityとは別の作業を同時平行する方

頻繁に↑の作業を行う人はCPUの性能が高い方がいいかもしれません。

頻繁に行わないのならボタン押して放置すればいい気がします。処理が重いのはその時だけです。

よくわからないよという人は気にしなくていいかもです。

結論:CPUはどれくらいのスペックが必要?

結論を言うと、必要なCPUのスペックは何がしたいかによります。

しかしながら、↑で言っているように、初心者の間にCPUのスペックがネックになってしまうゲームの開発は難しい為、あまり気にしなくてもいいかなと思います。

流石に格安タブレットPCのように普通のPCと比べて極端に性能が落ちるとちょっと動作が遅くなってしまいますが

Unityと同時平行で何かを動かしたい方はそちらの必要スペックに合わせるといいかなと思います。(もちろん必要スペックよりちょっと上を目指すくらいで)

VRがやりたいならVR機器の必要スペックに合わせてください。Vtuberをやりたいならモーションキャプチャに合わせてください。

もちろん1分1秒を争いたい人はスペックを高くするのに越した事はありません。速さを追求したい人は高くするといいでしょう。

CPUまとめ

・ゲームを出したいプラットフォームに合わせてね!
・初心者にオススメのプラットフォームは低スペックで動くものが多いよ!
・Unityと一緒に使いたいツールに合わせてね!
・わからなかったら特に気にしなくても大丈夫だよ!
・流石に格安タブレットPCだとちょっと辛いよ!

<GPUについて>

次にグラフィックの要となるGPUについて考えていきましょう。

UnityでのGPU

GPUは3Dグラフィックスなどの画像描写を行う際に必要となる計算処理を行う半導体チップの事です。

これはCPUと同じ理由で初心者の間はあんまり気にしなくてもいいかなと思います。プラットフォームに合わせてください。

Unityと一緒に使うツールとして、Photoshopなどの画像編集ソフトを併用して使う人も多いと思います。その場合はお使いの画像編集ソフトを基準にそれより上のスペックを用意するといいと思います。

GPUの性能が足りないとどうなるのか

GPUの性能が足りない場合、処理が重い、カクカクするなどの現象が起きます。(これはCPUがGPUの処理が終わるのを待っている為です)

CPUと同様、PCでカクつくゲームは他のプラットフォームでもカクつきやすいので、GPUの性能を上げるより、解像度を下げたりシェーダを見直した方がいいかなと思います。

GPUの性能が必要な時は?

GPUの性能が必要になってくるのは↓の通りです。

・超解像度テクスチャ
・ハイポリゴンなグラフィック
・次世代のシェーディングプログラム

いずれも自分のレベルがかなり上がらないと扱いが難しいものばかりです。

結論:GPUはどれくらいのスペックが必要?

まぁ、言うまでもなくゲームをプレイする側のプラットフォームがついていっていなければ意味がないので、こちらもあんまり気にしなくていい気がします。

次世代のシェーディングプログラムで遊びたい方は高い性能のGPUが必要になってきますが、多分一人遊びで終わってしまうかと。ゲームをプレイする側が高い性能のGPUを持っていないとプレイできませんしね。それでもやりたい方は高性能のGPUを用意すればいいと思います。

GPUまとめ

・Unityと一緒に使いたいツールに合わせてね!
・超美麗グラフィックを使いたい人以外気にしなくてもいいよ!

たまに初心者の方でいきなり超美麗グラフィックを扱おうとする人がいますが、自身のレベルが上がってからやった方がいいかと思います。それくらいレベルが上がる頃には次のPCに買い換える時期になっているかなと思います。

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<メモリについて>

次はメモリについて考えていきます。

メモリが足りないとどうなるのか

メモリに関しては結構気にした方がいいかもしれません。

CPU,GPUが足りないと処理が重い、カクカクするといった状態になりますが、メモリが足りないとUnityがクラッシュします

作業が途中だったりするとセーブできなくて悲しくなるので多めに用意しておく事をオススメします。

また、クラッシュしなかったとしてもメモリ圧縮が走り、CPUが持っていかれます。その為、メモリが足りない状況になるとCPUも足りない状況になり動作が極端に重くなります。

各種メモリ帯の状況

・4G未満の場合

かなりキツイです。かろうじて動かせなくはないですが、このメモリ帯はオススメしません。

・4Gの場合

Unityを動かせなくはないです。Unityを使っていると軽いゲームでだいたい500MBはもっていかれます。最近のPCはデフォルトの状態でメモリ3G以上持っていくのでかなりギリギリです。

・8Gの場合

ある程度普通に動きます。併用で重いソフトを動かしたり、テクスチャが重いとクラッシュしがちです。動作チェックをして重かったら軽くするという作業がやりづらいです。軽くしてから動作チェックしないといけません。アセットストアでダウンロードしてきたものが重いかどうかよくチェックした方がいいメモリ帯です。

・16Gの場合

普通に使う分にはわりと安心です。そこそこ快適に使えますが、ハイグラフィックの物を並べたり、他のソフトを立ち上げながら使っていると不足してきます。開発中はちょっとメモリに気をつけた方がいい感じです。

・32G以上の場合

かなり安心です。Unityを立ち上げながら別のソフトを使ってもほぼ問題なく動きます。

結論:メモリはどれくらいのスペックが必要?

個人的には32G以上がオススメなんですが、お値段が高いのでお財布と相談といった感じでしょうか。

16Gはあった方がいいかなと思います。

8G以下は使い方に気をつけましょうという感じです。8G以下でも4Kテクスチャなどをアセットストアからダウンロードしなければ割と大丈夫です。

8Gでも大丈夫なんですが、ハイグラフィックの物をストアで買って、ロースペックなプラットフォーム用でも使えるように軽量化しようとしたときに辛いんですよねー。たまに無料の物でもハイグラフィックのものがあったりするので、間違えてダウンロードしちゃうと大変です。しかし、これをやろうとしなければ8Gでもまぁ大丈夫です。

4Gはギリギリですが、一応動かせるので、今使っているPCが4Gの方はとりあえず初心者を抜けるまで使い続けて、それからどうするか考えてみた方がいいと思います。

<HDD/SSDについて>

SSDの方がもちろん速いですが、HDDでも特に問題はないかと思います。

容量については多い方がいいかと思います。

UnityHubを使用した場合Unityを複数バージョン持つことになるので容量を圧迫しがちです。

250Gで結構苦しいです。

アセットストアで色々ダウンロードして見てみたい人は500Gでは足りないかも

iOSで開発を行いたい場合、Xcodeがすこぶる容量を食うので1T以上あると安心かなと思います。

ちなみに自分が作ったゲーム(Robot_Run)の開発フォルダは7Gでした。

最近のノートPCとかはSSDだけ搭載で容量が少ないのもありますので注意が必要です。

まぁ、500G以上は最低限必要で、HDDかSSDかはお好みでといった感じでしょうか。

もちろんSSDの方が早いですが、値段と相談という感じです。HDDでも問題はありません。

<初心者の間は、と言う話>

さて、今まで必要なスペックに解説してきましたが、「初心者の間は」と言う枕詞がついてまわりました。

「いやいや、初心者から先の事が知りたいんだけども」と言う人もいると思います。

しかしながら、CPUの時に解説したように何をしたいのかで、必要スペックが変わります。

今したい事があって、何がしたいか明確な方も、Unityが使えるようになってからやりたい事が変わるかもしれません。

ハイエンド向けの制作をしたいと思うかもしれませんし、ロースペックなPCでも可能な事をやりたいと思うかもしれません。

ハイスペックなPCを買ってもロースペックでも可能な事をやりたくなった場合は余計なお金がかかってしまいますし、途中でハイスペックな事をやりたくなった場合は買い替えが発生してしまうかもしれません。

今、どーしてもハイエンド向けなゲームを作りたいと考える人は多いですが、初心者を脱した時に見える景色は違うものになっていると思うので、それから考えてみた方がいいかと思います。

よって、現在PCをお持ちの方は購入は考えずに、初心者を脱却してから考えた方がいいかなと思います。

<PCの購入を検討する必要がある方>

さて、初心者の間はPCの購入はまだ考えなくていいと言いましたが、現在PCをお持ちではない方と、メモリ4Gに満たないPCをお持ちの方はちょっときついので、購入を検討した方がいいかもしれません。

しかし、何度も言うように「何をしたいか」で必要なスペックは変わってしまいますので、コレを買った方がいいと断定することはできません。

そのため、筆者が今まで使用してきたPCの使用感を紹介したいと思います。一つの参考にしてください。

2020年1月現在の価値で4~5万円くらいのPC

CPU 1.44GHz
GPU インテルHDグラフィックス
メモリ 4G

・使用感
Unityがなんとか動いている感じです。2Dの軽いゲームを作るならこのスペックのPCでもなんとかなると思いますが、それ以上のスペックを求めれるゲーム作りは厳しいと思います。PCそのものの遅さも気になるので、ゲーム作りをお試しでやってみたい人向けのスペック帯です。

2020年1月現在の価値で6~7万円くらいのPC

CPU 2.9GHz
GPU インテルUHDグラフィックス
メモリ 8G

・使用感
Unityを動作させることに問題はなく快適に使用できると思います。しかしながら、ハイエンド向けのグラフィックや多くのオブジェクトを扱うとUnityがクラッシュしがちです。2Dのゲームや、ローポリゴンゲーム向けのスペック帯だと思います。

ひとつ注意点として、ストアでハイエンド向けグラフィックを誤ってダウンロードしてしまいゲームを作っているプロジェクトが2度と開けなくなるといった事態になることがあります。無料で公開されているハイエンド向けコンテンツもあるので気を付けて使用しましょう。

2020年1月現在の価値で14~16万円くらいのPC

CPU 3.2GHz
GPU GeForce GTX 1660 Ti
メモリ 16GのPC

・使用感
とても使いやすく、ほとんどストレスフリーで使用できます。ハイエンド向けコンテンツが少々混ざっても問題なく使用できます。完全なハイエンドゲームを作るには厳しいスペック帯ですが、個人で使うには十分かと思います。

これ以上のゲーム開発というと、もう個人では厳しくチームで作るレベルになると思うので紹介はこの辺りで置いておこうと思います。

オープンワールドのゲームやハイエンドなゲームを作りたい方はこれより更に高いスペックが必要となります。

これからUnityを始めようという人にはちょっとオススメしづらいのでこれ以上は自己責任でお願いします。

4万~5万のPCはギリギリですが、一旦それで繋いで、自分がレベルアップしたら次の価格帯へ移行するのもアリです。

ご自身のお財布事情と相談して購入を検討してください。

ちなみにこのサイトの管理人の使用している開発環境は↓で紹介しています。

<まとめ>

どうでしょう。参考になったでしょうか?またこれは個人的な見解なので、鵜呑みにせず、じっくり考えて参考程度にしてください。

必要なスペックは何をしたいかで変わります。

色々な知識を身に着け、レベルアップしたら、何をしたいかがより明確になり、変わっていくと思いますので、今はまだなるべく新たなPCの購入を考えず、自分自身で考えられるようになってから購入を検討してください。

今PCをお持ちでない方と4G未満のメモリ帯のPCを使われている方は、購入せざるを得ないと思いますので、筆者の使用感を参考にしていただければと思います。

PCはUnityだけ使うものでもないかなと思いますので、Unity以外で使うものにスペックが必要な場合はそちらの方も考えてください。

<これからUnityを学習する人へ>

このサイトではこれからUnityを学ぼうと言う人に向けて解説を行なっています。↓の記事が目次のページになりますので、自身の状況に合わせて読んでみてください。